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転機となった一冊

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人生行路を歩む上で私達は、その道中において幾度となく『転機』を迎えることになります。
それは、ちょっとしたきっかけであったり、また人生観を揺るがすような大きなものであったり…形態は様々ですが、どのようなものであったとしてもそれは、自分の人生テーマ再確認のためにあらかじめ設けられた、『時』のアクセスポイントのようなものだと思うのです。

二日前の記事『体調と心』で、私は10年ほど前に大きく体調を崩したことに触れました…
ちょうど今から11年前に、私は『阪神淡路大震災』で被災しました。当時西宮市に在住しており、北部地域だったため大きな被害は免れましたが、しかし、その影響で心身のバランスを崩してしまうことになるのです。
心の世界や精神世界を探求してきたことは、上っ面だけの卓上の理論でしかなかったということを、痛感させられることとなりました。私は一体何を学んできたというの…!? こういう時にこそ、その学びが役立つはずだったんじゃないの…!? と、自問自答を繰り返し、心の中で堂々巡りをする自分が、妙に小さく感じたのを覚えています。

本来の自分から、段々と遠ざかっている自分に、身体は体調を通してサインを送ってきます。しかし、胃腸症状から始まったサインを無視し続けて、さらに真実の自己から距離をおくこととなった私に、とうとう雷(いかづち)が落ちます。
免疫力を極端に落としたために、『ハント症候群』という、内耳器官に帯状ヘルペス(疱疹)が発生する、恐ろしいウイルス性の疾患に罹患してしまったのです。あの帯状ヘルペスが耳の奥の内耳という、とてもデリケートな場所に巣くってしまう病気です。発症率、5万人に一人というとても珍しい病気なんですね。三半規管という身体のバランスを司(つかさど)る器官や、聴神経や、顔面神経が細いトンネルの中を交錯するような複雑な器官が、ヘルペスで犯されるのです。症状は、悶絶状態です。平衡感覚が全くなくなり、犯された右耳は完全に聴こえなくなりました。強度の眩暈(めまい)と頭痛に、吐き気、嘔吐…頭蓋内の恐ろしいほどの圧迫感。もし体力がなかったら、私はここで命を落としていたかもしれません。
救いは、発見が早かったため、抗ウイルス剤の早期投与により、顔面神経麻痺を免れたことでした。もう少し遅かったら、ほぼ完璧に顔面が麻痺し歪んでしまうところでした。

真実の自己から、かけ離れた場所に魂を飛ばしてしまい、心は孤立状態です。
しかし、どうしても納得がいかない自分が、心の中で叫び続けるんですね…『こんなのおかしいよ~!今まで人生一所懸命生きてきたのに、こんなの絶対におかしい! 神様! おかしいです!! 私、頑張ってきましたよ! なのに、どうしてこんな目にあわなきゃならないの!』って。

神様から返事は聞こえませんでしたが、この本に出会う事になりました。
病気が回復する途上で、見つけた本です。96年に出版された、翻訳版のグラハム・ハンコックさんの『神々の指紋』でした…
心理学の本でも、心の本でも、精神世界一辺倒の本でもありません。一人の人間が情熱をもって、謎の解明に挑み、その研究の内容や、謎を紐解くために費やした熱き日々の集積をつづった著書でした。あまりのスケールの大きさに、目からウロコが落ちました。スゴイ…!世の中にはこんなに情熱を持って、人生を、自分の信念と夢にかけている人がいるのか…!と、本当の自分を見失っていた私は、大きなインパクトを受けることとなったのです。

著書とは、著者の『心』そのままですね。 やはり活字は、心対心の交流だと痛感します…

つい最近のエハンさんのブログの記事に、4月に、ハンコックさんのお宅を訪ねられた時のお写真が掲載されていました。何だか…とても不思議な感じがしました。そしてハンコックさんは、このTHDの同じブログサイトで、ご自身のブログを今度公開されることになります。
こんな事、あの10年前のあの時に、想像すらできなかった…

タイミングは、作ろうと思って作れるものではなく…だからこそ、やっぱり一瞬、一瞬は宝物であり、私たちはその宝物を選択する自由という、素晴らしき意志を神から貰い受けた、限りなく美しい生命体であると思うのです。
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( 『神々の指紋』以外のハンコックさんのご本も、これから是非読みたいと思っています。 )
by uriguri-s | 2006-09-26 00:14 | 心の栄養
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